マイホームは、戸建てにすべきかマンションにすべきか?
金融資産を増やすのであれば、そもそも(住宅ローンを組んで)マイホームを買うべきではないが、マイホームを買うことを決めた場合にどうすればいいか考える。マイホームを買う場合、戸建て住宅と分譲マンションの選択肢がある。この2つは何がどう違うのか?
資産としてどちらがいいのか?
マイホームを買った時点で、金融資産の観点では負債でしかないが、ここではそれは考えない。つまり、住宅ローンは無視して、資産価値として戸建て住宅と分譲マンションはどう違うのかということを考える。戸建て住宅は、すべて自分自身の所有物になる。分譲マンションは共同の土地を区分して所有する。建物は経年劣化で価値が目減りしていくが、土地は地価による。簡単のため、同一の地価であるとする。この場合、資産価値としては戸建て住宅のほうが高いと言える。高層マンションになると、区分された土地の権利はかなり小さいものになってしまう。購入金額ではなく、数十年後の資産を考えると、戸建て住宅のほうが資産価値は残っていると言える。
投資対象としてどちらがいいのか?
売却を前提とした場合、どちらのほうが売りやすいのだろうか?簡単のため、同じ土地に建っているものとする。分譲マンションの場合は、中古市場が大きく、不動産業者を含め売却先が多い。それに比べ、戸建て住宅の場合は、基本的に家庭を持つ人が売却先になる。売却のしやすさでは分譲マンションのほうが多い。ただし、築年数によっては、戸建て住宅に軍配が上がる場合もある。かなり古い住宅の場合、取り壊して新築にすることを前提にすることもある。戸建て住宅であれば、そういったことは(再建築不可でなければ)容易にできるが、分譲マンションでは簡単でない。建て替えは住民の総意でなければならない。また、老朽化したマンションの建て替え費用は大規模なものになり、支払い能力のない住民がいる場合もある。そうなれば、古い分譲マンションは売却先が見つからないことも考えられる。売却して利益を出すには条件によって、どちらがいいとは言えない。
結局、どちらを選ぶべきか?
まず、金融資産を増やしたいのかどうか考えるのが先である。金融資産を増やしたい場合、マイホームを買うべきではない。しかし、家族の総意でマイホームが欲しいというのであれば、出口戦略を考えるべきである。自分の年齢、相続をどうするかという視点である。売却を前提とするなら、築浅の分譲マンションが好ましい。自分たちの希望を取り入れた家が欲しいのであれば、新築の戸建て住宅になる。ただし、不動産を購入する場合、投資であろうがマイホームであろうが、立地条件が最も重要な要素であることを忘れてはならない。
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