NISAは利用すべきか?

NISA

金融資産1億円を目指すうえで、NISAは役に立つのか?

NISAは小額投資非課税制度のことであり、その非課税枠は最大で1800万円である。非課税枠は、つみたて投資枠と成長投資枠を利用することができ、併用可能である。ただし、成長投資枠は1200万円が上限になっている。つみたて投資枠は、国が定める基準を満たした投資信託の中から年間120万円まで購入可能である。成長投資枠は、上場株式、投資信託やETFなどを年間240万円まで購入できる。

1800万円分の株式や投資信託において、売却益や配当金が非課税となる。

旧NISAと異なり、保有期間に制限はないため、永続的に非課税となる。非課税枠を具体的に考えてみると、最大で1800万円利用して配当金を受け取る場合、利回りが5%だとすれば90万円の配当金を受け取ることになり、90万円に対する税金はおよそ20%になるため、18万円程度の恩恵を得られる。

最大1800万円分の非課税枠を利用しても、配当金では18万円程度の恩恵にしかならない。

先ほどは配当金で検討したが、売却益であればそれ以上に利益を得ることができるだろう。ただし、購入時の金額よりも売却益が大幅に上回る必要がある。年間360万円分のうち、180万円分が評価益であれば、およそ36万円が非課税としての利益となる。この場合、1年間で株価が2倍になっていなければならない。1年間で計算した理由は、1年間分の購入しかできず、売却後の年間枠は翌年以降しか再利用できないからである。毎年売却益から非課税の利益を得るにはこの方法しかないが、常に評価益が出ることが前提となる。

売却益を非課税にして利益を常に得るのは、現実的ではない。

つみたて投資枠が最大で1800万円割り当てられる点から考えても、配当金を非課税で受け取りながら再投資の費用に充てるというのが現実的ではないだろうか。NISAを利用するかしないかで、金融資産1億円達成の可能性に大きな影響を与えるようなことにはならないと言える。毎年、NISAの年間非課税枠を限度額まで利用することができるような手持ち資金の管理のほうが重要ではないだろうか。順当に資金を充当していけば、最短5年で1800万円の非課税枠を使い切ってしまい、その後は課税される口座で運用を行わなければならない。非課税枠だけで1億円の目的は達成されないため、NISAに固執する必要はないが、活用することで年間の投資額を多少なりと引き上げることはできる。

NISAの非課税枠は金融資産1億円の手助けにはなるが、必須ではない。

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