金融資産1億円でFIREできるのか?
FIREとは経済的自立と早期退職を意味し、給与所得以外の所得を得ることによって早期退職をすることである。金融資産による配当金を得ることで、その配当金が生活費を下回るようであれば、経済的自立ができている。その場合は、早期退職をしても給与所得を必要としない。例えば、金融資産1億円の配当金は利回り5%で500万円になる。そこから税金を差し引くと、およそ400万円になる。400万円で生活できるなら、FIREの状態になる。
必要な生活費の金額と利回りによる。
例えば、生活費が800万円であれば、必要な配当金は税引き前では1000万円であり、保有する金融資産の利回りが10%であれば1億円で足りる。株式で利回り10%はかなり厳しい条件と思われ、この条件を継続することは困難である。継続可能な利回りは3~4%程度であり、金融資産1億円から得られる配当金では、税引き後の240万円~320万円程度が目安となる。
継続できる利回りでなければジリ貧になる。
長期的に継続可能な利回りは5%未満であり、生活費を抑えることができるならFIREは可能だが、一般的な家庭では厳しいのではないだろうか。厳しい状態でFIREしてしまうと、生活費が不足することでFIREを止める、もしくは金融資産を取り崩していくことになる。簡単に再就職できればいいが、そうでなければ不満を抱えた就職となる可能性もあり、FIREをしなければよかったと後悔することになる。また、金融資産を取り崩していく事態になれば、日々資産が目減りする心配から逃げられなくなる。
安心できない生活になる可能性もある。
不景気な状況では配当金が減ることもあり、期待した金額を得られない。少しでも余裕のある状態でFIREするならまだしも、会社から逃げ出したいという理由だけで、ギリギリの状態でFIREをすれば、保有銘柄が倒産するなど、当初の思惑から外れた場合に金銭的な余裕がなく対処できなくなる。余裕を持った状態で改めて考えたほうがいい。FIREすること自体を目標にすべきではない。給与所得者が収入源を切り替える大きな変更であり、人生で何か特別にやりたいことがなければ、無理にするようなことではないのではないか。FIRE後の生活を十分に検討してからでも決して遅くはなく、安易にすべきではない。
FIREは自由な生活をする条件であって、FIREは目標にはならない。
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