不動産投資とJ-REITに違いがあるのか？
J-REITとは、不動産投資信託の日本国内版である。不動産投資信託とは、投資家から資金を集めて不動産に投資を行い、その運用益を分配する金融商品である。J-REITは株式投資に近く、実際に物件を所有する不動産投資とは異なる。その違いの一つに、物件の所有権がある。不動産投資をする場合は、物件を購入し、物件の所有権を得る。それに対して、J-REITは不動産投資法人が発行する株式証券を購入するため、物件の所有権は持たない。それ以外にもいくつか違いがある。
J-REITの利点は？
先に述べた通り、J-REITは金融商品である。まず、流動性が高く、売買が簡単である。手持ち資金があればすぐに購入できるし、売却してすぐに現金化できる。また、不動産を実際に購入する場合と比べて投資金額が低く、小額から始められる。他にも、不動産を実際に所有するわけではないので、不動産を賃貸に出して管理する必要がない。また、小額で始められることから、不動産投資と比べてリスクが低いと言える。
不動産投資に利点はあるか？
不動産投資は物件を探して購入した後に、賃貸に出す必要があり、所有している間ずっと管理しなければならない。不動産業者と比べると情報の非対称性があり、サラリーマン投資家では苦戦しやすい。ただし、利点がないわけではない。不動産投資の利点は、現物を担保にしてレバレッジがかけられることである。具体的に言えば、購入する物件を担保にして、銀行から融資を受け、自分が持っている資金以上の投資ができる。これが、不動産投資で唯一の利点だと言える。金融商品であるJ-REITにこの利点はない。銀行は株式投資に対して融資してくれることはなく、信用取引にしても自己資金（自己資金の約3.3倍しかレバレッジがかけられない）を持っておく必要がある。それに対して、購入物件をそのまま担保にできる不動産投資は、極端な話、資金（仲介手数料等除く）を持っていなくても投資ができる。これがJ-REITにはない不動産投資の唯一の利点である。
どちらがいいのか？
不動産投資とJ-REITのどちらがいいかは、それぞれの投資家の価値観次第である。J-REITは自己資金だけで行うことから、失敗しても後腐れない。それに対して、不動産投資はレバレッジをかけて融資を受けており、成功しようが失敗しようが返済しなければならない。できる限り早くキャッシュフローを増やしたいのであれば、不動産投資を選択すればいい。バランスシートに大きな負債を入れたくなければ、J-REITのほうがいい。
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