どれくらいの利回りがあればいいのか?
目標とする利回りを考えるには、金融資産をどのように運用していきたいかについて考える必要がある。金融資産を増やしたいのか、金融資産を何年で何倍にしたいのか、配当金生活をしたいのか、現在の金融資産はどれくらいあるのかといったこと決める、もしくは知るところから始まる。
金融資産を増やしたいのか?
金融資産を増やしたい場合であれば、まずは現在持っている金融資産を調べたうえで、一体何年間で何倍にしたいか決めればいい。そうすれば、どれくらいの利回りでなければならないか求められる。例えば、1000万円の金融資産を持っている状態だとする。その金融資産を10年で2倍にしたいと思うのであれば、7.2%の利回りで運用すれば達成できる。ここで言う運用は、配当金をすべて再投資する前提である。この計算は72の法則(参考:「投資の大原則」)によって、簡単に計算できる。72÷10年=7.2%である。72の法則によって、資産が2倍になるまでの期間や運用利回りを求められる。
配当金で生活したいのか?
金融資産の配当金で生活したい場合であれば、生活費と現在持っている金融資産を調べればいい。金融資産の税引き後の配当金が、生活費と同等であれば達成可能である。生活費を上回るのであれば、余剰の配当金を再投資することでさらに金融資産を増やすこともできる。逆に、生活費を下回るのであれば、配当金で生活はできないため、金融資産を増やすことを考えなければならない。
達成可能な利回りになっているか?
いずれの場合にせよ、達成可能な利回りでなければ実現できない。例えば、配当金で生活したい場合に、目標に必要な利回りが10%であるとする。日本株式における平均配当利回りが2%台であり、高配当と言われる銘柄でも4~5%程度である。10%の利回り実現がいかに厳しいかわかる。その場合は、目標設定に問題があるため、目標を考え直して、期間を延ばすか、目標額を減らすなどの措置が必要となる。逆に、目標をそのままにして10%の利回りがある金融商品に手を出すのであれば、かなりのリスクを背負うことになるため、覚悟が必要である。10%の利回りを提示する金融商品は、株式や債券であれば、発展途上国の中でも成長が疑問視されるような市場などに限られる場合が多い。ハイリターンを狙うのであれば、ハイリスクを受け入れなければならない。
妥当な利回りはどの程度なのか?
自分で設定した目標を達成でき、許容できる範囲内のリスクでありながら、できるだけ高い利回りであれば、妥当な利回り設定ではないだろうか。敢えて数字で言えば、日本株式なら2~5%以内が妥当だと言える。
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