給与所得者が金融資産3000万円以上、5000万円以上になったときに何が変わるのか?
野村総合研究所が定義する富裕層を考えた際、階層にはマス層、アッパーマス層、準富裕層、富裕層、超富裕層がある。そのうち、アッパーマス層が純金融資産3000~5000万円、準富裕層が5000~1億円を所有する世帯である。純金融資産とは、負債を差し引いて残った金融資産のことを指す。マス層を脱した、純金融資産3000万円以上、かつ1億円未満の層の集団がアッパーマス層と準富裕層である。
アッパーマス層の資産では上位層としての実感が沸かない。
アッパーマス層は階層の上位25%以内に属しており、階層の位置としては下から2番目だが、所有する金融資産の総額は全体の中では多い層に属すると言える。仮に、3000万円所有し、利回りが3%だった場合、配当金は90万円となる。また、5000万円所有するのであれば、配当金は150万円となる。配当金が実感できる状態になり、投資に回せる金額が増え始める頃だと言える。アッパーマス層は、投資による資産形成の状態を実感し始める。ただし、給与所得者であれば、貰える賞与が1回分増えるくらいの金額であり、裕福な生活には程遠い。
準富裕層は複利の力を実感する。
準富裕層は階層の上位10%以内に属しており、階層の位置としては真ん中だが、所有する金融資産で不動産等を一括購入可能な程度まで資産形成できている段階になる。仮に、8000万円所有し、利回りが3%だった場合、配当金は240万円となる。副業による所得と言えるくらいの金額になっており、その配当金を再投資し、複利の力を実感し始める。ただし、この段階でも、まだ裕福な生活とは言えるほどではない。
アッパーマス層と準富裕層になると資産形成の自信がつく。
アッパーマス層と準富裕層では、配当金によって生活が変化することはないが、資産形成を実感でき、1億円達成に対する自信が持てるようになる。特に、準富裕層は、“1億円まで、あと何年で達成できる”など、明確に見えるようになってくる。また、アッパーマス層になれば、貯金の習慣化もできている場合が多く、資産に対する人生観が変化してくる。金銭だけが大切なものではなく、時間や健康が重要だという考え方に変わる時期でもある。この層は、コストパフォーマンスを考えるようになり、怠惰な生活を改め、無駄な出費を自然に抑えるようになる。
アッパーマス層と準富裕層は、生活の質は変化しないが、人生に対する自信が持てるようになり、人生を良い方向に変えようとする時期である。
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